寒い季節に気をつけたい『脳卒中』~あたりたくないお話~
医療コラム
寒さがぐっと深まってきましたね。体調を崩しやすいこの季節、特に気をつけていただきたい病気のひとつが 脳卒中 です。
脳卒中ってどんな病気?
昔は「突然、悪い風にあたって倒れる病気」と言われ、「卒中」や「中気」と呼ばれていました。
英語では Stroke(ストローク) といい、「一撃」という意味があります。まさに突然起こる病気です。
脳卒中には、大きく3つのタイプがあります。
- 脳梗塞(血管が詰まる)
- 脳出血(血管が破れる)
- くも膜下出血
脳梗塞はさらにラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分かれます。
どうしてこわいの?
脳卒中は、日本人の死因の第4位。
そして、寝たきりになる原因の第1位でもあります。
命に関わるだけでなく、後遺症が残ることもあるため、早く気づいて受診することがとても大切です。
冬に多い脳卒中
冬は脳卒中が増える季節です。
• 脳出血は、寒さで血管が縮んで血圧が上がりやすくなるため、冬に多くなります。
• 心原性脳塞栓症は、冬に心臓の負担が増え、不整脈(心房細動)が起こりやすくなることが関係しています。
寒い季節は、体の中でもいろいろな変化が起きています
こんな症状があったら要注意
脳卒中のサインとして、次のような症状がよく見られます。
- 片側の手足が動かしにくい、しびれる
- 言葉が出にくい、呂律が回らない、話が理解しにくい
- ふらついて歩けない
- 片目が見えない、物が二重に見える、視野が欠ける
- 今までにない強い頭痛
「少し休んだら治ったから大丈夫」と思いがちですが、一時的でも脳卒中の前ぶれのことがあります。
ご本人が気づかないことも多いので、周りの方が「あれ?」と思ったら、早めに受診してください。
冬に“あたらない”ためにできること
今日からできる、ちょっとした習慣です。
• 血圧をこまめに測る
• 脈のリズムをチェック(不整脈の早期発見に)
• 部屋の温度差を少なくする
• のどが渇く前に水分をとる
• 塩分を控えめに
• 無理のない範囲で体を動かす
• お薬は自己判断でやめず、医師の指示通りに
持病がある方は、調子が良くても治療を続けることがとても大切です。
脳卒中予防の十か条(日本脳卒中協会)
- 高血圧の治療から始めましょう
- 糖尿病を放置しない
- 不整脈を見つけたら早めに受診
- 禁煙を心がける
- アルコールは控えめに
- 高コレステロールに注意
- 塩分・脂肪は控えめに
- 体力に合った運動を続ける
- 肥満に気を付ける
- 脳卒中が起きたらすぐ病院へ
迷ったら、どうぞご相談ください
脳卒中は、早く受診するほど後の生活が守られます。
「大したことないかも」「病院に行くほどでは…」と迷う時こそ、相談していただきたいタイミングです。
FASTを覚えておくと便利です
脳卒中の早期発見に役立つ合言葉です。
• F(Face):顔のゆがみ
• A(Arm):腕が上がらない
• S(Speech):言葉が出にくい
• T(Time):症状に気づいた時間
この3つのうち1つでも当てはまれば、脳卒中の可能性があります。
脳卒中は 時間との勝負。迷わず受診してください。
大隈病院から皆さまへ
大隈病院では、脳神経外科・脳神経内科を中心に、地域の皆さまが安心して暮らせるよう、迅速で丁寧な診療を心がけています。
寒い季節、どうぞお体を大切にお過ごしください。

監修
川村 康博(かわむら やすひろ)
大隈病院 副院長/医学博士
【資格・専門】
・日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
・日本脳卒中学会 脳卒中専門医
・日本脳神経血管内治療学会 脳血管内治療専門医
・日本医師会認定 産業医