春に多いめまいの原因とは?|自律神経の乱れ・耳や脳の病気と受診の目安
医療コラム
春になり暖かくなると、さまざまなイベントが増えてきますね。入学や就職、転勤などで生活環境が大きく変わる方も多い季節です。また、「三寒四温」と言われるように、短い期間で気温の変化が大きいのもこの時期の特徴です。
こうした環境や気候の変化は、体のバランスを整える自律神経に影響を与え、乱れ(自律神経の乱れ)を引き起こしやすくなります。その結果、体調不良のひとつとして「めまい」を感じることもあります。
今回は、この自律神経と深く関係している「めまいの原因」について取り上げます。
様々な「めまい」
「めまい」は一般的にひらがなで書かれることが多い言葉ですが、漢字では「眩暈」「目まい」「目眩」などと表記されます。また、「目眩(めま)う」という表現や、古くは「めくるめくやまひ(い)」と呼ばれていたようです。
めまいは、身体の安定感が失われたと感じる異常な感覚で、実際には、
- 自分がぐるぐる回る感じ
- 周囲が回る感じ
- 景色が流れる感じ
- 船に乗った時の感じ
- 酔った時の感じ
- ふらふらとよろける感じ
- 気が遠くなりそうな感じ
など、多様な状態が「めまい」として表現され得ます。
難聴、耳鳴り、耳閉感、嘔気、頭痛、動悸、不安感などを伴うこともあり、めまいの症状や原因はさまざまです。
めまいの原因は?
めまいの原因は大きく3つに分けられます。
耳が原因のめまい(末梢前庭性めまい)
まず1つ目は末梢前庭性、いわば耳が原因のめまいで、内耳の異常によって起こり、ぐるぐる回るような回転性めまいであることが多いです。
代表的なものに、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎があります。
良性発作性頭位めまい症は、内耳の三半規管に耳石(カルシウムの結晶)が入り込むことで発生すると考えられており、頭の位置を変えることで誘発されることが特徴です。
脳が原因のめまい(中枢性めまい)
2つ目は中枢性めまい、いわば脳が原因のめまいで、急に始まる場合は、脳卒中などの脳の病気である可能性があります。
特に、
- 片側の手足が動かしにくい
- しびれる
- 呂律が回りにくい
- 物が二重に見える
といった症状を伴っている場合は注意が必要です。
脳梗塞や脳出血などは救急対応が必要です。症状がめまいのみであることもあり、耳が原因のめまいとの鑑別にも、脳の検査(MRI・CTなど)を行うことは重要です。
その他の原因
3つ目は、それ以外のめまいで、血圧や体調の問題などが原因の場合で、気が遠くなりそうな感じやふらつきであることが多いです。
起立性低血圧、貧血、脱水、薬剤の影響などの他、心血管系疾患や神経疾患であることもあります。
重篤になる疾患が背景にあることもあり、めまいの原因を正しく調べることが重要です。
脳を調べましょう!
めまいはよくある症状ですが、中には命に関わる病気が隠れていることもあります。
特に脳が原因の可能性を見逃さないために、早めに医療機関を受診し検査を受けることが大切です。
気になる症状がある場合には、自己判断せず、お早めにご相談ください。
水野 秀紀
脳神経内科部長兼リハビリテーション科部長
所属学会・専門医・資格
- 医学博士
- 日本神経学会/神経内科指導医/神経内科専門医
- 日本認知症学会/認知症指導医/認知症専門医
- 日本内科学会/認定内科医/総合内科専門医
- 日本医師会認定産業医
- 認知症サポート医
- 臨床研修指導医