ボツリヌス治療
医療コラム
ボツリヌス治療について
ボツリヌス治療とは、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。
ボツリヌストキシンは、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があるため、それを注射すると筋肉の緊張を和らげることができます。
ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
手足のつっぱり(痙縮)
脳卒中後遺症の障害の一つに「痙縮(けいしゅく)」という症状があります。 痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくかったり勝手に動いてしまう状態のことです。 手指が握ったままとなり開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状が見られます。 脳卒中の発症後、時間経過とともにまひ(片まひ)と一緒にあらわれることが多い症状です。 この症状に対して、ボツリヌス治療を行ないます。

ボツリヌス治療の効果

関節が固まって動きにくくなったり、変形することを防ぐことができる

手足のツッパリによる痛みがやわらぐ

筋肉が柔らかくなり、動かしやすくなり、日常生活が行いやすくなる

リハビリが行いやすくなる

介護の負担が軽くなる
- 服の脱ぎ着きが行いやすくなる
- おむつ交換が行いやすくなる
- 体ふきが行いやすくなる
ボツリヌス治療の副作用
ボツリヌス治療を受けた後に副作用として次のような症状が現れることがあります。これらの症状の多くは一時的なものですが、症状が現れた場合には医師に相談してください。
- 注射部位がはれる、赤くなる、痛みを感じる
- 体がだるい
- 力が入らない
- 立っていられない
ボツリヌス治療の流れ
予約
予約センター(TEL:052-991-2116)まで、電話にて問い合せ下さい。
診察
- ボツリヌス治療を受けられるかどうか、診察によって判断します。
- お薬の効果や副反応などの説明を受けて、同意書へサインを頂きます。
- 初回治療日の予約を致します。
治療・目標設定
- 「何に困っているか」「何をできるようになりたいか」といった点について医師と相談し、治療の計画を立てます。
初回治療
- リハビリ担当者の評価も併せ、つっぱりのある筋肉に薬を注射します。
受診
- 治療後の症状について、ボツリヌス治療を実施した医師と相談しながら、次回治療の必要性を決定します。
2回目以降の治療
- 経過観察を経て効果が弱まってきたら、2回目の治療を行います。以降は、経過観察と治療を繰り返します。
ボツリヌス治療後のリハビリテーション
手足のつっぱり(痙縮)に対して、ボツリヌス治療と併用してリハビリテーションを行ないます。 ボツリヌス治療によって痙縮がやわらいでも、リハビリテーションを行なわなければ機能の回復は望めません。リハビリテーションをボツリヌス治療を一緒に行なうことによって、より日常生活動作(ADL)などが行ないやすくなることが期待されます。
本院リハビリテーションでは、手足のつっぱりに対してアプローチし、歩行や日常生活の動作の改善を目指しています。 低周波治療器や上肢リハビリテーションロボット(cocoroe AR2)などを導入し、最新のリハビリテーションを提供出来るようにしています。





外来リハビリテーション
週1~数回(要相談)外来にてリハビリーションを行います。
ボツリヌス治療
- 外来診療室にて、ボツリヌス治療を行います。
外来リハビリテーション
- リハビリテーション実施
ボツリヌス治療
- 次回のボツリヌス治療を行います。
入院リハビリテーション
1週間から2週間程度入院し、リハビリテーションを行ないます。
入院初日
- 検査や初期評価を行います。
2日目
- ボツリヌス治療
- リハビリテーション実施
3~14日
- リハビリテーション実施
お問い合わせ、ご予約について
受診予約やお問い合わせは、診療科(脳神経外科 外来)へおかけください。
予約センター
TEL(052)991-2116