反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療
医療コラム
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療とは?
◆反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療とは、コイルに発生させた磁気エネルギーを頭部に照射し、大脳へ磁気刺激を与える治療法です。
◆反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、脳卒中後遺症に対し、すでに傷を負った脳組織を復活させることではなく、健常な脳組織の神経活動性を促進して、大脳のもつ神経症状を補う能力を最大限に発揮させる(間接的に病巣側の脳を活性化させる)ことが目的です。
◆磁気刺激は脳大脳皮質の神経細胞の興奮性を変化させる作用があり、大脳に起因する精神・神経疾患への治療効果が期待されています。
◆欧米諸国では、最新のうつ病治療法としてすでに臨床応用されており、その他脳梗塞や統合失調症、パーキンソン病等の治療にも世界中で試されています。
◆ 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療は、非侵襲的な治療です。

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療の効果
脳卒中後遺症に対して、反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療実施後にリハビリテーションを行うことで下記の効果が期待されます。(治療効果には個人差があります)
- 指や腕が動かしやすくなる
- 指や腕のつっぱりが和らぐ
- 言葉がでやすくなる
- 左側の手足がぶつかりにくくなる
経頭蓋磁気刺激法(TMS)の副作用
◆TMS による重篤な副作用の発生率は 0.1%未満とされています。
◆副作用として報告されるものには、痙攣発作(0.1%未満)、失神(頻度不明)、頭皮痛・刺激痛、顔面の不快感(30%前後)、頭痛・頚部痛・肩こり(10%前後)があります。
反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の治療方法
ベッドへ横になり、20 分間磁気刺激治療を行ないます。

リハビリテーション
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療と、リハビリテーションを一緒に行うことによって、より日常生活が行いやすくなることが期待できます。
低周波治療器や上肢リハビリテーションロボット(cocoroe AR2)などを導入し、最新のリハビリテーションを提供出来るようにしています。


受診予約・お問い合わせ
受診予約やお問い合わせは、
診療科(脳神経外科、脳神経内科)へおかけください。
TEL(052)991-2111(代表)
経頭蓋磁気刺激(TMS)治療の流れ
予約
- 予約センター(TEL:052-991-2116)まで、電話にて問い合せ下さい。
診察
- 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療を受けられるかどうか、診察によって判断します。
- 治療の説明を受けて、同意書へサインを頂きます。
- 入院日の予約を致します。
入院前検査
- 神経伝導路検査や血液検査など入院前に必要な検査を、後日行ないます。
入院
- 入院日に、経頭蓋磁気刺激の準備(コイル位置や刺激強度設定)を行ないます。
TMS治療
- 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療を行ないます。
- 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療後にリハビリテーションを行います。
通院
- 疾患に合わせた治療終了後退院となります。
退院後診察
- 治療の経過と2回目の治療の相談をします。
※反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療は、月曜から金曜日、土曜日の午前に行ないます。(土曜午後、日祭日は行ないません) ※現在入院治療のみとなります。
入院中のスケジュール(2週間入院の場合)
入院初日
- 検査や初期評価を行います
2日目
- 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療(午前午後の2回)
※ボトックス注射がある方は午後のみ - リハビリテーション(理学療法・作業療法)
3~13日目
- 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療(午前午後の2回)
※土曜日午後と日曜祭日は行いません。 - リハビリテーション(理学療法・作業療法)
※週5日程度となります
14日目
- 反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療
(午前のみ・午後は最終評価を行ないます) - リハビリテーション(理学療法・作業療法)
退院日
- 午前中を目安に退院となります。